本研究は、いわゆる「慰安婦」問題において、日本人で「慰安婦」とされた女性の存在が不可視化されたメカニズムを分析した博士論文を発展させるものである。博士論文では、1970年代以降の日本のフェミニズム運動と1990年代初期の「慰安婦」問題解決運動等の資料の言説分析をおこなった。本研究では資料収集やインタビュー調査を継続しながら、新たに確認することができた資料である、日本人「慰安婦」被害者であった当事者の手記類の読み込みを重点的に進めた。これらの成果をまとめ、計画通り、本研究の最終年度である2016年度末に単著として出版することができた。
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