研究課題/領域番号 |
26780305
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田中 佐千恵 (福島佐千恵) 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (60548767)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 気分障害 / ストレス関連障害 / 復職支援 / リワークプログラム / 地域ネットワーク |
研究実績の概要 |
2014年4月~2019年3月に当院精神科を受診した気分障害・ストレス関連障害の休職者のうち,研究に同意の得られた患者22名(うつ病11名,双極性障害7名,その他4名,男性18名,女性4名,平均39.0歳,平均参加期間137日)がプログラムに参加した.プログラム開始時と終了時の評価尺度の比較では,認知機能を測定するBACSの言語記憶,言語流暢性,注意,社会適応度を測定するSASS-Jの興味や好奇心,職務遂行能力を測定するGATBの知的能力,言語能力,書記的知覚,空間判断力,形態知覚,運動共応,手腕の器用さ,復職準備性を測定するPRRSの基本的な生活状況,症状,職場との関係,作業能力,準備状況,健康管理,PRRSトータルで有意な改善を認めた.うつ病の重症度を測定するHAM-D, 躁症状の重症度を測定するYMRSに有意差は認められなかった.プログラム終了後に復職できたのは16名(72.7%)であり,就労継続率は1年後,2年後ともに93.7%であった. プログラム終了後では,特に作業能力や復職の準備性の改善が大きかった.長期的検討では,復職率は国内での先行研究で示された,63.6~77.2%(秋山2003; 北川2009; 平澤2011; 大木2012)と同程度であり,就労継続率は既報の継続率,1年後86.0%,2年後71.5%(五十嵐2014)と比較しても高く,作業療法を取り入れた多職種で行う地域包括型のリワークプログラムの有効性が示唆された. 2018年度は地域のハローワーク,障害者就業・生活支援センターと連携し,離職者のフォローアップ体制を整えることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プログラム対象者が年間10名以下と少なく対象者の確保が困難になったため、2018年度もリクルートを行い、2019年度に成果をまとめることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度(2019年3月まで)の参加者のデータで成果をまとめる。2019年度論文としてまとめて投稿する予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例数が当初の目標数に達せなかったため成果をまとめることが出来ず、論文の英文校正費が使用できなかったため。
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