本研究では、認知症介護者の介護負担感が患者に及ぼす影響についての縦断的検討を行い、その結果、介護者が強い介護負担感を持っていると3年後の患者の認知症の行動・心理症状(BPSD)が強く現れやすいことが示された。このことは、介護者への支援が介護者のみならず患者に対してもよい結果をもたらすことを示唆するものである。 また、患者の希死念慮が介護者に及ぼす影響についての検討、認知症介護者と介護をしていない一般地域住民のメンタルヘルスの比較、比較的稀な認知症である意味性認知症の介護負担についての検討も行った。
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