研究課題/領域番号 |
26780309
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
石橋 裕 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (50458585)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サービスC / 作業療法 / 総合事業 / 生活行為 / IADL / AMPS |
研究実績の概要 |
今年度は、訪問Cの対象者の特徴を検討した。訪問Cの効果検証はUMIN(申請番号20151127-085123)に登録し、データ集である。訪問Cの特徴は、東京都A区で研究に参加した要支援1(4名)と要支援2(6名)の高齢者10名である。調査項目は、性、年齢、家族構成などの基本情報の他に、作業遂行能力の評価としてAssessment of Motor and Process Skills(AMPS)、IADLの実践状況の評価としてFrenchay Activities Index(FAI)、生活機能の評価として老研式活動能力指標(TMIG-IC)を使用した。各評価のデータは、AMPSの運動技能とプロセス技能, FAIの合計得点, TMIG-ICの合計得点を使用した。 対象者の平均年齢は75.7(SD7.34)歳、性別は男性4名で女性6名、世帯構成は同居が4名で独居6名であった。各評価の平均値(実測)は、AMPS運動技能が0.89(SD0.63)ロジット、プロセス技能が0.89(SD0.95)ロジット、FAIが23.8(SD6.74)点、TMIG-ICが8.6(SD3.77)点であった。各評価のZ得点変換後の四分位範囲は、AMPS運動技能が1.50、プロセス技能が0.83、FAIが1.63、TMIG-ICが1.85であった。各評価の相関は、AMPS運動技能とFAIの合計得点(r=0.741)、プロセス技能とFAIの合計得点(r=0.766)で、それぞれ有意な正の相関であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象者の募集が地域包括支援センターを経由して実施しており、研究者側の都合で対象者を募集することができなかった。一方、研究デザインに基づき一歩一歩データ収集は行えており、次年度にはデータ収集の結果より、一定の知見が見出せると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
訪問型サービスCの対象者およびプロセスモデルはおよそ確立することができ、効果検証を行うことができた。今後は通所型サービスCとのアルゴリズムを検証し、どのような組み合わせと多職種連携が最も効果的にIADLの作業遂行を改善することができるのか検証する予定である。 研究が遅延したひとつの理由として、支援者、評価者を分けていたことにより関与者が増えてしまい、日程調整が遅れたこともあげられる。そこで、評価者は研究者内から選抜し、マスク化することに変更する予定である。一方、支援者に関しては、これまで通り雇用した作業療法士に依頼する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費は、研究対象者の支援に関して必要な備品を購入するために準備していたが、研究対象者の募集が少なかったために、金額に差が生じた。また、旅費に関しては、所属機関より自転車で通える範囲の移動距離であったため、請求しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
ひとりあたりの物品費は、思った以上に安価で対応だった一方で、人件費が予想以上に必要なことが28年度の計画より明らかになった。そこで、旅費等に充てた費用を人件費に使用することに変更し対応することにした。
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