研究課題/領域番号 |
26780312
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
二本柳 覚 高知県立大学, 社会福祉学部, 助教 (30570725)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 既卒者調査 |
研究実績の概要 |
本年度は、ケアマネジメント技術教育を受けた既卒者に対してヒアリング調査を実施した。 調査対象は、ケアマネジメント技術教育を受け、各養成校を卒業し、現在社会福祉領域において業務を行っている概ね1年目~6年目までの者とした。経験年数の設定については、たとえば吉本は、提唱している自他の評価として30歳前後に職業的に一人前となるとする「30歳社会的成人仮説」をしている(2004)。またPSWの実践において、個別支援については6年、地域支援、集団支援については9年のターニングポイントが存在し、合わせて20代はクライエントとの関係形成、実践行為が十分に展開できていないことを指摘している(2012)。また、吉本はキャリアを形成し適切な職業的役割を得たときに、その時こそ適切に活用できる知識や能力があるとし、大学教育の遅効性を述べている(2004)。これらのことから、業務上独り立ちをする直前と考えられる6年目までを対象とした。 ヒアリングについては、半構造面接による個別ヒアリングを実施した。ヒアリング項目の選定について、先行研究の確認を行ったが、卒業生に対する追跡調査はいくつかの大学で実施されているが、多くが卒業生のキャリア動向や大学教育・生活全般に関するものであり、特定科目の効果を計るために実施されたものは少なく、定型化されたヒアリング項目は確認できなかった。そこで、埼玉県立大学で実施された専門職連携教育実習の効果検証のために実施された追跡調査(大塚他 2006)で実施されたグループインタビューで抽出されたテーマを元に、再設定を行った。また、ケアマネジメント技術教育以外が現職にどのように影響を与えているかを確認するため、大学教育全般についても質問項目に含めた。その結果、計3校、6名からヒアリングを実施した。ヒアリング結果については現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査対象者との調整が難航し、ヒアリングが実施できたのが年度末となったことから、調査結果の分析が十分に進行していない。そのため、翌年度実施するフォローアップ調査の調整に影響が若干出ている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は早急にヒアリング調査の分析を実施した上で、当初の計画通り、フォローアップ調査を実施する。フォローアップ調査にかかる協力者はすでに確保しているため、今後実施計画を入念に行うことが必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査にかかる旅費について、当初予定額よりも低く調整ができたため、残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度は研修講師の招聘等で旅費等がかさむことが予想されており、その支出に使用する。
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