研究課題/領域番号 |
26780317
|
研究機関 | 弘前学院大学 |
研究代表者 |
高橋 和幸 弘前学院大学, 社会福祉学部, 准教授 (00347832)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 除雪ボランティア / 豪雪地域 / 市町村社会福祉協議会 / 活動実態 / 普及に向けた課題 / 推進の為の方策 / ユニークな取組 / 情報共有 |
研究実績の概要 |
豪雪地帯対策特別措置法による指定区分で豪雪地帯(含む特別豪雪)に指定されている市町村が全国に532市町村ある。本研究ではそれら全てを対象として除雪ボランティアの実態とその普及に向けた課題に関する調査を行う。平成26年度は市町村役場を対象とし、平成27年度は市町村社会福祉協議会を対象とする。これにより、市町村が持っている情報と市町村社会福祉協議会が持っている情報を網羅的に収集する。 調査項目の柱としては①各市町村における除雪ボランティアの活動実態、②除雪ボランティアの普及に向けた課題、③今後の推進施策、④地域の実情に沿ったユニークな除雪ボランテイアの取組に関する情報である。とりわけ、「地域の実情に沿ったユニークな取組」に関する情報については、中学・高校生のボランティア教育の場、雪害への備えとしての防災教育、他地域からのボランティアの受け入れと交流ツールとしての利用などが考えられる。本研究の調査報告書を通じて、対象の自治体間で情報共有ができるようにすることを目指している。 平成27年度は、豪雪指定532市町村内に所在する「市町村社会福祉協議会ボランティアセンター・ボランティア担当」への調査を行った。回答は485箇所から寄せられ、回収率は91.2%であった。これにより、除雪ボランティアの活動実態、普及に向けた課題、推進の方策としてどのようなことを考えているか、地域の実情に沿ったユニークな取組事例に関するデータを収集することができた。とりわけ、地域の実情に応じたユニークな取組に関しては、市町村名公開の了承を得て記入頂き、取組内容等の情報を速報として発行し、調査対象532市町村社会福祉協議会に郵送した。 2年目の532市町村社会福祉協議会を対象とする調査についても、91.2%の回収率と速報発行による情報共有ができたことにより、概ね目的を達成できたものと考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目(平成27年度)に計画していた豪雪地域に該当する532市町村内に所在する市町村社会福祉協議会ボランティアセンター・ボランティア担当を対象とした郵送アンケート調査を実施した。回収率は91.2%であったことから、調査票の構成や手法についても妥当であったものと考える。 本研究は3年間の継続研究であり、報告書は最終(平成28)年度に発行することにしていた。しかし、調査を実施したところ「地域の実情に沿ったユニークな除雪ボランティアの取組(自由記述、市町村名の公開の了解を得ている調査項目の結果)の情報については、ほかの市町村の取組を参考にしたいという申し出が複数件寄せられた。そこで、市町村社会福祉協議会対象調査の結果について、平成27年度中に速報という形で発行し、532市町村社会福祉協議会に郵送、情報共有に努めた。 以上の成果をもとに本研究は順調に進展しているものと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は3年継続研究の最終年として、これまでの調査で集めたデータの分析と報告書作成が目標となる。平成26年度の市町村役場対象調査、平成27年度の市町村社会福祉協議会対象調査の回答票については、既にデータ入力作業を終えている。そのため、活動実態、推進のための方策、普及に向けた課題についてはより詳しく統計分析したい。 また、地域の実情に沿ったユニークな除雪ボランティアの取組については平成26年度の市町村役場対象調査から22ケース、平成27年度の市町村社会福祉協議会対象調査からは58ケース情報が得られた。これらの事例については調査票への自由記述回答に精粗がみられるため、平成28年度は電話、電子メールなどでの追加のインタビューを行い、より詳しい情報を入手して補完したい。 平成28年4月から8月にかけて平成26年度の市町村役場対象調査と平成27年度の市町村社会福祉協議会対象調査の入力データを用い、①活動実態、②推進のための方策、③普及に向けた課題について、より詳しく統計分析作業をおこなう。また、「地域の実情に沿った除雪ボランティアの取組」について自由記述して頂いたものの記載が不十分な箇所を対象として、追加インタビューを平成28年7月から9月にかけておこなう。 これらのデータ分析、報告書記載データとして加工をすすめると共に、平成28年10月から12月にかけて報告書を執筆する。平成29年1月には校正、印刷作業をおこなう。平成29年2月から3月の間に、調査対象の532市町村役場と532市町村社会福祉協議会(合計1064箇所)に報告書を送付することを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の市町村社会福祉協議会を対象とした調査の「結果速報」冊子の印刷製本費と、対象の532市町村社会福祉協議会への速報冊子の郵送費が必要となり、10万円の前倒し請求を行った。速報冊子の印刷製本費が当初の見込みよりも3千円あまり安く済んだため、繰越金(次年度使用額)が発生した。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は3年継続研究の最終年度であり、調査報告書を作成し、調査対象の532市町村役場と532市町村社会福祉協議会(合計1064箇所)に対して送付するための郵送費がかかる。研究遂行に欠かせないこれらの経費のために、前年度に使用しなかった金額を充当したい。
|
備考 |
豪雪地域における除雪ボランティアの実態とその普及に向けた課題に関する調査~平成27年度:豪雪地帯に指定されている532市町村内にある「市町村社会福祉協議会ボランティアセンター・ボランティア担当」への調査結果(速報)~ 弘前学院大学社会福祉学部高橋和幸研究室,2016(平成28)年3月,研究成果広報用資料として発行した。
|