研究課題/領域番号 |
26780318
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研究機関 | 常磐大学 |
研究代表者 |
呉 世雄 常磐大学, 公私立大学の部局等, 助教 (00708000)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 社会起業 / 社会的企業 / 福祉コミュニティづくり / ソンミサン・マウル / 日韓比較 / 社会起業家 / ソーシャルファーム |
研究実績の概要 |
2015年度は、前年度に続き、韓国における社会起業に関するフィールド調査を行うともに、これまでの成果をまとめて研究発表および投稿論文の作成等を行った。具体的には、韓国における社会的企業の中間支援組織に焦点をあて、「ソウル市社会的経済支援センター」および「ヨンドンポ区社会的経済支援センター」へのヒヤリング調査を行った。また、財閥を含む大企業による社会起業活動及び社会的企業支援の先進事例として、SKグループの「(株)幸福の翼(ヘンボックナレ)」へのヒヤリング調査を行った。さらに、これまでの調査の結果をまとめ、日本地域福祉学会の全国大会にて研究発表を行い論点や考察を深めた後、日本社会福祉学会の学会誌に原著論文として投稿し、現在査読中である。 また、日本の社会起業に関する調査については、ソーシャルファームジャパン及びソーシャルファーム研究会、日韓社会的企業セミナー等に関わり、日本の社会的企業に関連する先進事例の情報を入手するとともに、国内外の社会的企業に関する先行研究等の文献レビューを通して日本における社会的企業の実態や特徴について整理を行った。また、日本における社会起業組織の特徴については、社会起業の財源や組織体制、市場範囲、意思決定方式等を基準とし、企業型、協同組合型、コミュニティ基盤型、複合型などと類型化を試みた。現段階では、仮説的なものであるが、今後、実証分析を含めて議論を深めて行きたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度は、韓国でのフィールド調査を計画的に進めることができた。また、これまで行ってきたヒヤリング調査について分析を行い、研究成果として報告・投稿することが出来た。さらに、次年度に予定している日本の社会起業についての事例調査に関する情報収集や研究仮説を導くことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度は、研究課題の最終年度である。今後の主な研究のすすめ方としては、日本と韓国におけるフィールド調査を引き続き実施するとともに、これまでの研究成果をまとめる作業を進めて行きたい。具体的には、9月までに日本のフィールド調査を行うとともに、8月には韓国のフィールドに対する補足調査を行う予定である。また、9月以降は、これまで行ってきたフィールド調査をまとめ、日韓の比較の視点から社会起業の実態や特徴についてまとめることとする。 まず、日本のフィールド調査については、2015年度に行った社会起業の類型化の結果を基に、各類型に含まれる社会的企業を選定し、ヒヤリング調査を行う予定である。既に行っている企業も含めて9月までに10カ所を予定している。また、韓国のフィールドへの補足調査については、福祉コミュニティづくりに関連する公的および民間支援団体や、社会的経済基本法案の進捗状況に関する調査を行う予定である。 以上の韓国での補足調査及び日本のフィールド調査の結果を基に、日韓比較の視点から、社会起業や福祉コミュニティづくりの特徴について比較分析を行い、両国における社会起業による福祉コミュニティに対する政策的および実践的な示唆を導く作業を進めて行きたい。今後の研究成果の報告については、2017年3月に行われる日本社会福祉学会関東大会及び韓日社会福祉研究会にて研究報告を行う予定である。さらに、研究報告での議論を踏まえ、研究論文を作成し関連学会誌等を通して研究結果を発信して行きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画より人件費等の支出額が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の資料整理や入力作業等のアルバイト費として使用する。
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