研究課題/領域番号 |
26780319
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
島田 正亮 杏林大学, 医学部, 助教 (80580563)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 児童養護施設 / 措置変更 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,児童養護施設に勤務する職員への面接調査,および全国の児童養護施設への質問紙調査を実施し,質的分析,量的分析の両側面から,児童養護施設において児童の措置変更が生じるプロセスとそれに関与する要因について明らかにすることである。更には,措置変更の抑制要因について,総合的に検討する。 平成27年度の成果は以下の通りである。
◆児童養護施設に勤務する職員を対象とした面接調査についての再分析 児童養護施設に勤務する職員20名に対し,入所児童の措置変更について半構造化面接による面接調査を実施した。より適切な分析を目指し,平成27年度は新たに調査対象者を追加した。また,平成26年度の分析結果について,現場の視点から児童養護施設の施設長に助言をいただき,適宜修正を加えながら,最終的な分析結果を目指した。カテゴリー分析の結果,【子どもに関連する要因】【職員に関連する要因】【環境に関連する要因】【処遇方針の検討】の4カテゴリーが生成された。また一例をあげると,【子どもに関連する要因】は<安全な生活を脅かす行為>,<本人の問題>,<社会的問題行動>の3サブカテゴリーから構成された。【職員に関連する要因】は,<担当者の負担>,<対応の工夫>の2サブカテゴリーから構成された。各カテゴリー間の関係性を検討し,カテゴリー関連図を作成し,これをもとに,児童養護施設における児童の措置変更プロセスとその要因についての仮説モデルを生成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は面接調査において新たな調査協力者を加えて,より適切な分析結果を目指すことができた。しかしながら,この分析に時間を要したこと,また研究者自身の多忙により,質問紙調査における調査項目の選定にまで至らず,全国調査が未実施となってしまった。そのため,期間延長の申請を行い,1年の延長を認めていただけた状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度までに作成した仮説モデルが質問紙調査のデータと矛盾しないかどうかを検討するために,統計解析ソフトSPSSを用いて検証的因子分析を実施する。仮説モデルの適合度を検討することにより,児童の措置変更プロセスとそれに関与する要因についての仮説モデルを構築していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度において予定していた全国規模の質問紙調査が未実施となってしまったため,その費用が差額の主たる理由であると考える。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度では全国規模の質問紙調査を計画している。質問紙の印刷費,郵送費,謝礼等に費用がかかることが見込まれるため,これに充当する予定である。
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