研究実績の概要 |
第6期介護保険事業計画では,地域包括ケアシステムの構築を目指した計画立案が求められている.日常生活圏域毎のニーズに対応した事業計画を策定するためには,ニーズを個人レベルでなく地域レベルで把握することが必要である.そのための科学的根拠を得るため,平成26年度より,ベンチマークシステムを活用し,データ提供頂いた102 保険者,117 市区町村(2014年10月末現在)に対して「地域診断書」を作成し,自治体が根拠に基づく第6期介護事業計画の策定を行えるように支援を行った.申し込み市町村は2014 年10 月現在、全国36 都道府県102 介護保険者117 市町村の協力が得られ、要介護認定を受けていない65 歳以上の高齢者35 万3655 人から回答を得た.集計項目については,15 指標について集計した. 分析の結果,要介護リスク者などの割合には,市町村間や市町村内に,無視できない格差があることが確認できた.他地域との比較は,当該地域で重点とすべき課題や重点対象地域を設定する根拠となることが示された. 地域診断書作成後,診断結果を踏まえた上で,現場の福祉従事者の意見を集約し,どのように介護保険事業計画を作っていくのか.介護保険事業計画を作成するための対話の機会を提供することを目的として,3回のワークショップを開催した。ワークショップの開催により,地域診断と介護保険事業計画を結び付ける示唆が得られた.
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