本研究は、フィールドワーク調査によって、カナダ及び日本の知的障害者の入所施設の閉鎖プロセスと地域生活支援の仕組みについて比較研究したものである。この結果第一に、カナダでは1)運動団体によるアドボカシー活動に行政が応答し脱施設化政策を実施することによって施設閉鎖が展開し、2)個別化給付と意思決定支援の仕組みが地域生活移行支援において実施されたことが明らかになった。 第二、日本では1)施設職員主導によって施設閉鎖が展開し、2)地域生活移行支援においてグループホームが主要な受け皿となり、制度的制約や自治体行政との関係によってグループホームが大規模化・一極集中化していることが明らかになった。
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