本研究は、発達障害のある人やその家族を支援する「発達障害のある人の親」による自発的な地域福祉活動に着目し、その活動内容や展開過程、活動の意義について明らかにした。 団体の活動は、親自身の家庭環境やライフステージの影響を受けて展開していた。また団体の持続可能性に関わる要素としては、新たなニーズへの対応として、対象を普遍化し、事業を複合的に実施していくことが考えられ、このことが福祉コミュニティ形成を促す要素でもあることが考えられた。さらに親が地域福祉活動を行う意義として、自身の経験を他者へと還元する経験を通じて、自身の子育てや自己に対する肯定感を育むことができることが見出された。
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