| 研究課題/領域番号 |
26780352
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
清水 大地 東京大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (00724486)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 身体表現芸術 / 協同活動 / 熟達化 / 即興表現活動 / 創造性 |
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| 研究実績の概要 |
本年度では、1）熟達者を対象とした2名で行われる協同活動場面の検討、2）熟達者と初心者の2名で行われる協同活動場面の検討、3）熟達者を対象とした3名で行われる協同活動場面の検討、4）表現活動の指標に関する検討、を行った。
まず1については平成26年度の計画を継続し、データの追加・分析を行った上で、知見を関連学会で発表している。また、2については、熟達者と初心者の2名による協同活動場面を対象として取り上げ、そこで生じた表現活動の変化について、平成26年度の予備研究、そして1の研究の結果得られた手法（映像記録による身体運動測定）を用いて検討を行った。
3については、ダンス領域で「サイファー」と呼ばれる複数名間での協同活動場面を対象にした研究デザインを設定し、複数名間で生じる表現方法の変化について検討した。この研究については、相互に与える影響の複雑さや、表現者が積み上げてきた技術等を事前に把握する必要性から、予備研究や研究デザインの修正を行い、現在もデータの追加・更なる分析を行っている。なお2、3に関しては、知見を整理・統合し、平成28年度に国内の関連学会において発表する予定である。
さらに4については、平成26年度に実施した研究を継続し、「表現者が協同活動場面までに積み上げてきた技術」と「表現者のパフォーマンスの全体的な傾向」を捉える指標を開発・検討した。これは、縦断的なフィールドワークや、実験室実験で測定したパフォーマンスの記録映像、モーションキャプチャーシステムによる身体運動のデータ等を用いて、パフォーマンスの傾向・詳細を抽出する手法であり、国内の関連学会において研究発表を実施した。
なお、上記した研究デザインの修正、予備研究の実施が必要とされたため、3の3名で行われる表現活動場面の検討については、平成28年度に継続してデータの追加・分析を実施する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の進捗状況としては、当初の予定よりもやや遅れて進行している状態である。表現者2名による協同活動場面（熟達者2名による協同活動、初心者と熟達者による協同活動）を対象とした研究については、特に熟達者2名に関する研究について、当初予定していた人数以上を対象とした検討を行うことが出来た。さらに研究デザインや表現活動を捉える指標に関しても、国内学会や研究会を通して議論を活発に行い、予定していたよりも精緻化・構造化された研究デザイン・指標を用いて検討を行うことが出来ている。特に開発した表現活動を捉える指標は、表現者の実際の活動について、練習場面を含めた長期的な観点から捉えたものであり、練習場面、協同活動場面両者を含めた表現活動に関する検討全般に渡って適用可能と考えられる。この研究は、当初予備的な研究として位置づけていたものの、学会発表といった規模の大きな研究へと発展させることが出来た。
また、熟達者3名による協同活動場面を対象とした研究については、先述したように研究デザインの修正、予備研究の実施が必要とされたため、現在継続して計画を実施している状態である。引き続きデータの追加・分析を行い、国内の関連学会等でその成果を発表する予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の研究としては、1）熟達者3名による協同活動場面の検討、2）表現活動の指標に関する更なる検討、といった内容を予定している。
1の熟達者3名による協同活動場面の検討に関しては、既に取得済みのデータを対象に先述した方法によってデータの分析を行っている状態である。今後も更なるデータの追加・より洗練された分析手法の開発を進めた上で、知見を学会発表・論文等にまとめていく予定である。
2の表現活動の指標に関する更なる検討に関しては、得られた知見・分析手法が1の検討を行う上で非常に有用であること、そして練習場面と協同活動場面を結びつけて捉えていく上でも有用であることから、今後も継続して検討を行っていくこととした。この研究については、既に熟達者から承諾を得ており、協同活動場面に加えて練習場面について、身体運動の測定、認知過程の測定による縦断的な検討を行い、指標の開発を進めていく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては、表現者3名による協同活動場面を対象とした研究デザインに修正が必要とされたこと、また表現者が事前に積み上げてきた技術を詳細に把握・検討することが必要とされたことが挙げられる。そのため当初予定に加え、協同活動場面に対する予備研究、表現者の練習場面や表現活動場面を対象とした縦断的なフィールドワークを実施した。以上の研究計画の見直しのために、次年度使用額が生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
上記した理由から、次年度使用額については、主に「今後の研究の推進方策」に記述した、1）熟達者を対象とした3名による協同活動場面の研究、2）表現活動の指標に関する更なる研究、の2つの研究における物品費（ビデオカメラといった録画機器等）や研究協力者（熟達者、研究実施時のアシスタント）への人件費・謝礼として使用する予定である。また、これまで実施した研究について平成28年度に国内学会での発表予定があるため、それらの旅費としても使用する。
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