本研究の目的は、即興的な芸術表現であるブレイクダンスが営まれる場面において、共演者との間で生じる協働活動の様相について検討を行い、その活動がもたらす変化や変化が生じる過程を実証的に解明することであった。そのため、(1)熟達者2名による協働活動場面、(2)熟達者と初心者2名による協働活動場面、(3)熟達者3名による協働活動場面、(4)表現活動の分析のための手法と観点、に関する検討を行った。結果として、他者の表現を取り入れ発展させ新しい表現を生成する・やり取りの中から新しい表現パタンを生成する、といった相互作用を活発に行い、多様な側面に影響を与え合いながら互いの表現が展開していく様相が示された。
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