本研究では,異なる生活・実践文脈を背景とする話者同士の生産的な対話を示す「共創的越境」を可能とする人材育成を志向した大学教育の方法・評価法について検証を進めてきた。 理論研究としては,学習者間のコミュニケーションを志向する教育研究者が多く引用する,ロシアの心理学者ヴィゴツキーと文芸学者バフチンの理論研究を進めてきた。実践研究としては,大学生100名前後の大型講義を含む複数の授業を対象に,共創的越境への参加能力を高める為の教育法を開発・実施してきた。さらに,受講学生を対象とした質問紙調査や面接調査を実施し,これらの成果を踏まえた,共創的越境力の評価方法の開発も行ってきた。
|