研究課題/領域番号 |
26780356
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
山田 陽平 奈良教育大学, 教育学部, 講師 (50708518)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 検索練習 / 抑制 / 英単語学習 |
研究実績の概要 |
本研究は,検索練習をしない記銘語を促進または抑制する要因について検討し,英単語を効率的に学習するプログラム開発のための基礎データを収集するべく,以下の研究課題の実施を目的としている。第1に,英単語間の意味的類似度に基づいて学習リストを構成し,検索練習による促進効果が最も大きくなる英単語の組み合わせを明らかにする。第2に,検索練習による促進効果が生じ,抑制効果が消失する検索課題のタイプを明らかにする。研究の初年度となる平成26年度は,平成27年度以降に予定している実験のための準備として,記銘語の選定を行うことが目的であった。まず,梶上・寺澤・後藤・須藤(2002)および寺澤(2003)による英単語2252語の熟知度表から,熟知度が3.00よりも低い単語952語を抽出し,その中で日本語訳の意味が類似している単語ごとに分類した。次に,分類した英単語の日本語訳間の意味的類似度に基づき,高・中・低のペアを作成した。当初は質問紙調査により意味的類似度を測定,分類する予定であったが,英語類語辞典の意味に基づいた分類の方が妥当であると判断し予定を変更した。次年度において,検索練習による促進効果が最も大きくなる組み合わせを明らかにするための準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,次年度以降に予定している実験のための準備として,記銘語の選定を行うことが目的であった。刺激の選定方法に関して若干の変更があったものの,より妥当であると考えられる選定方法を用い,記銘語のリストを予定どおり作成した。また,実験機材の準備およびプログラムの作成を行い,実験実施の準備はすでに整っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は,平成26年度に作成した英単語ー日本語訳類似度リストを基に,二つの実験を実施する予定である。第1に,類似度を変数として複数の基準(類似度 高・中・低)を設定し,検索練習による促進効果および抑制効果が生じる基準を明らかにする。申請者の研究成果から(山田・月元・川口,2010, 日本心理学会発表),類似度が高い場合には促進効果,類似度が中程度の場合には抑制効果が生じると予測される。第2に,中程度の類似度をより細かい基準(類似度 中高・中中・中低)で分類し,検索練習による効果をより詳細な基準で明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,次年度以降に予定している実験のための準備として,記銘語の選定を行う作業が中心であり,実験に関わる謝金,英文校閲費等を使用しなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
主たる使用計画として,実験に関わる謝金,成果発表のための旅費,英文校閲費を予定している。
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