本課題の目的は(1)他者軽視傾向の様々な活動への参加を促す初期動力としての機能、(2)自尊感情の変動による他者軽視への影響、(3)他者軽視の高い青年たちの諸特徴を検討することであった。大学生を対象に4年間の縦断調査を実施し、各時点での調査データ及び連結したデータを用いた解析を行った。その結果、大学入学後の他者軽視の増加は、部活動・サークル活動の活発さと関連すること、自尊感情の上昇は他者軽視の減少と関連すること、他者軽視の高い青年は協調性が低く、他者の模倣による自己変容を志向しにくいことが明らかとなった。
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