研究課題/領域番号 |
26780370
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
堀田 千絵 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 講師 (00548117)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 中高年者 / レジリエンス / 尺度開発 / 信頼性・妥当性 / 性差 / 縦断・横断的研究 / 発達モデル |
研究実績の概要 |
健康長寿を全うし、高いレジリエンスを備えている後期高齢者、すなわち超高齢者の前頭葉機能、骨・筋運動系、社会生活機能等の特性との関連を性差によって影響を受ける点を加味した上で明らかにし、それらの資料を、今後老年期を迎える中高年者の生活支援に役立て、高齢者のQOLとレジリエンス増進の一端を担う発達モデルを開発することにある。これを達成すべく以下の目的を段階的に設定した。(1)中高年者におけるレジリエンス評価尺度の開発、 (2)(1)を用い、性差の影響を加味した上で、レジリエンスの維持・増進にかかわる認知、前頭葉、骨・筋運動系機能を横断的に整理・分析し、その発達特性を明らかにすること、さらに3年間を通じた縦断的検討を行うことで発達的変化過程を明らかにすること、(3)(2)における中高年者の基礎資料の提示と、優れた機能を有す高齢者の資料に基づくレジリエンス増進のための包括モデルを構築することである。 そのために本研究では26年度から28年度にかけて以下の段階を踏み検討を行うこととしている。第1に、健康長寿の規定因であるレジリエンスを評価するためのレジリエンス評価尺度の開発を行うことである。26年度に引き続き、27年度では、5月、6月にかけての関西地区の特別養護老人ホームを中心とした調査、及び8月における住民検診をベースに800名近い対象者に対し、レジリエンス尺度の2回目の信頼性、妥当性の検証を行うことである。第2に、第1に並行し、社会生活、前頭葉、筋運動系機能との相互関連性について横断的に検討し、性差の観点からも分析し、最終的には発達モデルを構築することである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中高年者におけるレジリエンス増進の一端を担う発達モデルを開発するために本研究では26年度から27年度にかけて以下の段階を踏み検討を行ってきた。第1に、健康長寿の規定因であるレジリエンスを評価するためのレジリエンス評価尺度の開発を行うことである。26年度に引き続き、27年度では、5月、6月にかけての関西地区の特別養護老人ホームを中心とした調査、及び8月における住民検診をベースに800名近い対象者に対し、レジリエンス尺度の2回目の信頼性、妥当性の検証を行った。第2に、第1に並行し、社会生活、前頭葉、筋運動系機能との相互関連性について横断的に検討し、性差の観点からも分析する準備に着手した。その研究成果を各種国際学会、各種国内学会および査読付き論文に発表した。これらの研究成果は、高齢者の研究のみならず、障がいを有する子どもから大人の知見にも見合う点も多く、新たな発見もあった。
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今後の研究の推進方策 |
27年度の最終時点では、28年度の最終的な研究のとりまとめとしての発達モデルの構築に関するデータベースを整理しているところである。26年度からの引き続きの検討課題として、(1)最終的な中高年者におけるレジリエンスの評価尺度の完成、(2)社会生活機能、前頭葉、筋運動系機能との関係性からレジリエンスの影響について横断的、縦断的に明らかにし、性差の観点から分析を行う予定である。それを踏まえ、中高年者の発達モデルを構築することとする。
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