作業の見返りとして得た報酬をどのように分配すれば公正であるかという問題について、5歳児を対象に、総報酬量と教示を操作した実験を行った。その結果、(1)5歳児の平等志向が二つのタイプに分類できること、(2)これまで総報酬量が乏しい時は数の認知により自動的に平等分配が行われることを支持する結果が見出されているが、総報酬量が乏しい時でも制御的過程が関与する場合があること、(3)平等分配を行った時に作業量を無視しているわけではないこと、(4)平等分配が不可能な時には逆転分配を用いたり、公平分配や逆転分配を釣り合わせて全体的に平等になるようにしようとしたりする等の問題解決を行っている可能性が示された。
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