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道具操作の効果的な支援・指導法を開発することを目的とし、道具操作の方略に関する幼児・児童の理解を調べ、実際の運動パフォーマンスとの関連を明らかにした。
平成26年度は年長児・小学校1年生140名を対象に、運動の速さと正確さの関係に焦点を当て、以下の調査を実施した。（1）「運動の速さと正確さのtrade-offの関係」についての子どもの理解を、ハサミ操作を題材としたストーリーで調べたところ、全体の約50%を占める子どもが「運動の速さと正確さの関係」を完全に理解していることが明らかとなった。（2）「運動の速さと正確さの関係」の理解の程度と、子どもが実際にハサミを操作するときの運動の速さ・正確さとの関連を調べたところ、「運動の速さと正確さの関係」の理解度が高い群の方が、低い群よりも有意傾向で運動が正確であることが示唆された。このことから、「運動の速さと正確さの関係」の理解が、ハサミ操作の正確さに影響を及ぼす一因であると考えられた。
平成27年度は、年長児29名を対象に、非利き手の動かし方に注目し、以下の調査を実施した。（1）円図形を正確に切り取るには、①紙を動かす方略とハサミを動かす方略のどちらが適切か、②紙に張りを出す方略と出さない方略のどちらが適切か、イラストを見せて尋ねた。①については幼児の回答は二分されたが、②については全ての幼児が張りを出す方が正確に切れると回答した。このことから、ハサミを入れる対象物の状態についての理解は、比較的早くから得られる一方、自らの動きを意識化することは難しいことが示唆された。（2）非利き手の動かし方の理解と、ハサミ操作のパフォーマンスとの関連を調べた。その結果、①で「紙を動かす」を選択した13名の方が、短時間で正確に円図形を切り取ることができていた。このことから、自らの動きを意識化することは、正確な道具操作に寄与することが示唆された。
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