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2015 年度 実績報告書

中年期の職業性ストレスと仕事の複雑性が高齢期の認知機能に及ぼす影響の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26780377
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

石岡 良子  慶應義塾大学, 理工学研究科, 助教 (30710032)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード高齢者 / 認知機能の個人差 / 中年期 / 職業性ストレス / 仕事の複雑性 / 職業歴 / ライフコース / 認知の予備力
研究実績の概要

本研究の目的は、中高年期の職業歴が高齢期の認知機能へ及ぼす長期的な影響について、職務上の認知的負荷の高い仕事内容とストレス経験による2つのメカニズムから明らかにすることである。
H26年度は、70歳代から90歳代の幅広い年齢の高齢者のデータを用い、認知的負荷の高い仕事に就いていた人は高齢期の認知機能が高いことを示した。また、中年期の職業性ストレスを包括的に評価する質問項目を作成し質問紙調査を実施した。
H27年度は、H26年度に実施した質問紙調査の内、認知機能のデータのある634名(女性50.5%、2013年度現在平均73.0±0.9歳)のデータを用い、本職業性ストレス尺度の特性を把握し、認知機能との関連を検討した。本職業性ストレス尺度の各項目の記述統計量の結果から、「単身赴任」「出稼ぎ」「引越し」「能力を活かす」「技術や知識」「失業」の項目の回答には床効果または天井効果の偏りが示された。項目間の単相関係数を算出した結果では、関連の強度は弱いが、解釈妥当な相関関係が全般に示された。
次に、認知機能を従属変数とし、認知的負荷の高い仕事と職業性ストレスを説明変数とした重回帰分析を行った。その結果、総合的な認知機能に対して、認知的負荷の高い仕事は正の関連を示し、職業性ストレスは負の関連を示した。しかし、職業性ストレスの項目には正の関連を示す項目が一部みられ、一貫した結果は得られなかった。
本研究の結果から、認知的負荷の高い仕事は職業性ストレスとは独立して高齢期の認知機能と関連することが示され、中高年期の職業歴が高齢期の認知機能の個人差に影響する可能性が示唆された。今後、職業性ストレスの項目精査を行い、対象者のライフコースを考慮した分析を行う必要がある。

備考

本研究は、大阪大学、東京都健康長寿医療センター研究所、慶應義塾大学が共同で実施する「健康長寿研究SONIC」の一部として実施しました。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 仕事の複雑性と高齢期の記憶および推論能力との関連2015

    • 著者名/発表者名
      石岡良子・権藤恭之・増井幸恵・中川 威・田渕 恵・小川まどか・神出 計・池邉一典・新井康通・石崎達郎・髙橋龍太郎
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 86 ページ: 219-229

    • DOI

      doi.org/10.4992/jjpsy.86.14007

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 中高年期における職業性ストレと高齢期の認知機能と関連 SONIC study 70 歳コホートの結果から2015

    • 著者名/発表者名
      石岡良子・権藤恭之・増井幸恵・稲垣宏樹・中川 威・小川まどか・小園麻里菜・高橋龍太郎
    • 学会等名
      日本心理学会第72回大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県・名古屋市)
    • 年月日
      2015-09-22 – 2015-09-24
  • [学会発表] Association between Work Experience and Cognitive Function in Advanced Age2015

    • 著者名/発表者名
      Ishioka Y, Gondo Y, Kozono M, & Nakagawa T.
    • 学会等名
      International Centenarian Consortium meeting
    • 発表場所
      Sardinia (Italy)
    • 年月日
      2015-06-17 – 2015-06-21
    • 国際学会
  • [図書] Cognitive Function in Centenarians In Encyclopedia of Geropsychology2016

    • 著者名/発表者名
      Ishioka LY & Gondo Y
    • 総ページ数
      14
    • 出版者
      Springer
  • [図書] 介護の世界 自分の視点・他者の視点 第7回研究では認知加齢をどう捉えるのか2015

    • 著者名/発表者名
      石岡良子
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      介護人材Q&A
  • [図書] 介護の世界 自分の視点・他者の視点 第2回研究では認知機能をどう捉えるのか2015

    • 著者名/発表者名
      石岡良子
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      介護人材Q&A
  • [備考] 健康長寿研究SONICのホームページ

    • URL

      http://sonic-study.jp/index.html

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公開日: 2017-01-06  

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