• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

性的マイノリティのためのメンタルケア技法の開発評価

研究課題

研究課題/領域番号 26780379
研究機関東京大学

研究代表者

石丸 径一郎  東京大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (30435721)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード性同一性障害 / 性別違和
研究実績の概要

性同一性障害(アメリカ精神医学会の新しい診断基準では「性別違和」と名前が変更された)は,比較的まれな疾患である。その一方で,社会との関わりや社会への影響はとても大きい。精神疾患とカテゴライズされているにもかかわらず,ホルモン療法や手術療法などの身体医学との関わりがある。学校や職場で生まれた時の性別とは異なる性別で過ごしたり,家族や友人にカミングアウトして理解を得たり,結婚したり子どもをもうけたりして家族を作ったりするため,これまでなかった新たな社会的・法的な扱いが生じている。この時にさまざまな点で周囲の人々や社会との軋轢が生じる場合もある。本人にとっても,家族や同僚など周囲の人々にとっても大
きなストレスがかかるケースも多い。
本研究では,その社会的重大性に比べて研究の少ない性同一性障害を始めとする性的マイノリティについてとりあげ,基本的な属性や実態を明らかにする。また性別違和感を定量的に測るツールを開発する。さらに,性的マイノリティである人々が抱えるストレスや苦痛を軽減するためのケア技法を開発することを目指す。
2015年度には,性別違和感の測定ツールの作成のためと,性的マイノリティ当事者の心理的・生物学的特徴を把握するための調査データの入力・分析を行った。論文化に向けて作業中である。またメンタルケア技法の開発について,性機能の観点からの検討,小学校・中学校・高校・大学などでの当事者の現状やニーズの検討を行い,認知行動療法を応用していく技法をまとめつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大きな遅れはなく,ほぼ予定通りに進行している。

今後の研究の推進方策

次年度は調査結果を論文として発表する。また認知行動療法を応用した支援技法をマニュアルとして整理し,試行実施を開始する予定である。

次年度使用額が生じた理由

細かい金額を使い切れなかったために,82円の次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

学会参加のための旅費の一部として使用する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件)

  • [雑誌論文] 性的マイノリティのカップル・家族関係2016

    • 著者名/発表者名
      石丸径一郎
    • 雑誌名

      家族心理学年報

      巻: 34 ページ: 印刷中

  • [雑誌論文] 精神科臨床評価 特定の精神障害に関連したもの F5:性機能不全2015

    • 著者名/発表者名
      石丸径一郎・針間克己
    • 雑誌名

      精神科臨床評価マニュアル〔2016年版〕(臨床精神医学 増刊号)

      巻: 44(S) ページ: 519-534

  • [雑誌論文] 性機能不全の評価尺度について2015

    • 著者名/発表者名
      石丸径一郎
    • 雑誌名

      日本性科学会ニュース

      巻: 34(4) ページ: 2-3

  • [雑誌論文] 思春期以前の性同一性障害2015

    • 著者名/発表者名
      石丸径一郎
    • 雑誌名

      日本性科学会ニュース

      巻: 34(2) ページ: 2

  • [学会発表] 中年期・老年期の性同一性障害当事者にみられる特徴と支援2016

    • 著者名/発表者名
      石丸径一郎
    • 学会等名
      GID(性同一性障害)学会 第18回研究大会
    • 発表場所
      日本教育会館3階ホール
    • 年月日
      2016-03-20 – 2016-03-20
    • 招待講演
  • [学会発表] 東京大学とLGBTQ2016

    • 著者名/発表者名
      石丸径一郎
    • 学会等名
      アメリカLGBT活動の現在 IVLP東京報告会
    • 発表場所
      東京大学 駒場 21KOMCEE WEST
    • 年月日
      2016-01-09 – 2016-01-09
    • 招待講演
  • [学会発表] 心理学から見た性のダイバーシティ:LGBT・セクシュアル・マイノリティ2015

    • 著者名/発表者名
      石丸径一郎
    • 学会等名
      明治学院大学言語文化研究所主催講演会
    • 発表場所
      明治学院大学白金校舎本館
    • 年月日
      2015-12-17 – 2015-12-17
    • 招待講演
  • [学会発表] 認知行動療法から見た性の非常識2015

    • 著者名/発表者名
      石丸径一郎
    • 学会等名
      第16回性科学セミナー
    • 発表場所
      埼玉県県民健康センター
    • 年月日
      2015-10-10 – 2015-10-10
    • 招待講演
  • [学会発表] 学校教育と性的マイノリティ2015

    • 著者名/発表者名
      石丸径一郎
    • 学会等名
      静岡大学道徳教育研究会 LGBT×MORAL講演会
    • 発表場所
      静岡パルシェ会議室
    • 年月日
      2015-09-30 – 2015-09-30
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi