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2014 年度 実施状況報告書

学生支援者養成モデルの検証に関するコミュニティ心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26780387
研究機関香川大学

研究代表者

杉岡 正典  香川大学, 保健管理センター, 講師 (70523314)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード学生の自殺予防 / 大学コミュニティ
研究実績の概要

本年度は,4ヶ年の研究計画の初年度にあたる。初年度ではまず,学生相談における大学コミュニティの機能や役割,大学構成員の位置づけや役割,大学生の自殺予防にかんする国内外の文献研究を行った。さらに,大学教職員を対象とした予備的調査研究を実施した。
調査研究では,まず,大学教職員を対象に学生の自殺予防講演会を実施し,事後アンケートを実施した。調査の目的は,大学教職員が大学生の自殺企図と向き合い自殺予防に取り組む際に抱く不安内容を把握し,不安を取り除くためにはどのようなサポートが必要なのかを探索的に検討することであった。調査は2014年8月に大学教職員(90名)を対象にアンケート形式で実施した。
その結果,まず「自殺企図学生と関わる不安」については81名が不安であると答えた。不安の内容を分析した結果,回答の多い順に『対応』(53.1%),『逆効果の危険性』(13.6%),『関与すること』(11.1%)とつづいた。いずれも自らが対応することへの不安として記されていた。次に「自殺企図学生と関わる際のサポート」については80名がサポートを求めると回答した。サポート内容を分析したところ,何が必要か分からない教職員が3割(『わからない等』(26.3%)『専門家にまかせたい』(5.0%)),一方で『対応の研修・知識』(20.0%)を求め支援者として成長したいと考える教職員が2割いることがわかった。また,『連携・協働』(30.0%)が最も多い回答であったことに加え『相談場所』(18.7%)を必要としている教職員がいることから,複数人で対応することを求めていることが示唆された。
以上のことから,日本の大学教職員は一人で対応を背負い込もうとしすぎて不安を募らせていることがわかった。今後,大学全体をコミュニティにする手立てを早急に検討する必要があることが示唆された

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,4ヶ年の研究計画の初年度にあたる。文献研究に加えて,大学教職員に対して,学生の自殺予防に関する質問紙調査を実施できた。質的分析を加えることで,今後の研究の方向性が確認されたことから,計画は順調に進んでいると思われる。

今後の研究の推進方策

今後は,学生の自殺予防に関して,教職員のみならず,大学生のピアサポート活動にも焦点を当てて,大学コミュニティ全体としての援助機能と援助者の負担について明らかにしていく予定である

次年度使用額が生じた理由

研究計画の都合で

次年度使用額の使用計画

旅費など

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Psychodynamic understanding of the emotional experience of college students who have suicidal ideation2015

    • 著者名/発表者名
      sugioka masanori
    • 雑誌名

      香川大学教育学部紀要

      巻: 143 ページ: 139-144

  • [雑誌論文] 大学生の抑うつと自殺の捉え方が自殺傾向に与える影響2014

    • 著者名/発表者名
      杉岡正典・鎌野寛・永尾幸・森知美・冨家喜美代・泉慈子・野崎篤子・中村晶子・村上智郁
    • 雑誌名

      CAMPUS HEALTH

      巻: 51(2) ページ: 205-210

    • 査読あり

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公開日: 2016-06-01  

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