研究課題/領域番号 |
26780389
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
松岡 紘史 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (50598092)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ドライマウス / 認知行動療法 / スクリーニング |
研究実績の概要 |
本研究は,口腔乾燥の明確な原因がみられない心因と診断されるドライマウス患者の中で認知行動療法によって改善が期待できる患者をスクリーニングする方法の確立を目指すとともに,当該患者に対する介入方法の確立を目指すものである。 本年度は前年度にスクリーニングツールの候補としたCognitive Appraisal Rating Scale(CARS:鈴木・坂野,1998)の3下位尺度(脅威性,影響性,コミットメント)をもとにスクリーニングツールの作成およびカットオフポイントの設定を行うためにドライマウス患者を対象に調査研究を行った。CARSの3下位尺度に口腔乾燥感を加えた項目を対象にROC曲線とAUCを用いた分析を行った結果,コミットメントおよび影響性の2下位尺度がスクリーニングツールとして抽出され,どちらかの項目で4点以上をカットオフポイントに設定した場合には感度にすぐれ(感度:0.98,特異度:0.81),どちらかの項目で5点以上だった場合には特異度が優れていること(感度:0.89,特異度:0.98)が示された。これらの下位尺度を用いてスクリーニングを行うことで,認知行動療法による介入が必要な患者であるかの識別を効果的に行うことができると考えられる。 また,認知行動療法の治療プログラムに必要な要素を明らかにするために,口腔乾燥感に影響する要因を検討する調査研究を行った。その結果,口腔乾燥感には,健康不安が関連することが明らかになり,健康不安への対処をプログラムに取り入れることによって効果的な治療プログラムの作成が可能になると考えられた。 次年度は,ドライマウス患者の認知的評価を改善させる治療プログラムの開発を行い,マニュアルおよび教材の作成を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スクリーニングツールの作成がほぼ完成し,プログラムの作成に必要な要素が検討できたため概ね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
ドライマウス患者の認知的評価を改善させる治療プログラムの開発を行い,マニュアルおよび教材の作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
ドライマウス患者の症状をより効果的に緩和するための治療プログラム作成のために,今年度にどのような治療要素が必要であるかを検討し,認知行動療法による治療プログラムおよびマニュアルの作成を次年度に実施することにしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年分請求額と合わせて,認知行動療法による治療プログラムおよびマニュアルの作成費用,研究協力者謝金および成果発表費として使用する。
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