研究実績の概要 |
東日本大震災では、被災された方のみならず、その支援に関わる支援者が被る多大なストレスが懸念されている。そのため、支援者が自らのレジリエンス(心の弾力性、復元力)を発揮し、種々のストレスへのセルフケア技能を獲得し、自らの関わる支援活動に積極的な意味を見いだせるようになることは重要である。本研究は、被災地における中長期的支援者のレジリエンスと外傷性成長について、メンタルヘルスとの関連を明らかにすること、そして支援者のレジリエンスと外傷性成長促進のためのプログラムを構築しその効果を検証することを目的とする。 平成26年度は、岩手県内市町村社会福祉協議会・復興支援センター等 計21施設で被災者支援にかかわっている中長期支援者(生活支援相談員等)を対象に、第一次質問紙調査を実施した。実施期間は平成27年2月23日から3月13日、回答は無記名、所属を通じて配布し、返信用封筒での返送を求めた。質問紙は二次元レジリエンス要因尺度(平野,2010)、外傷性成長尺度(宅,2010)、共同体感覚尺度(高坂,2011)、職業性ストレス簡易調査(中央労働災害防止協会,2006)、K10(Kessler et al,2002)等の他、支援者としての従事経験、東日本大震災当時の就業状況・被災状況を確認する項目、そして支援者支援に必要と思われる事項に関する自由記述項目で構成した。回収率は70.1%、有効回答は66.2%であった。結果、支援者支援に必要と思われることとして「同職者同士の交流、話せる場」「メンタルケア」「支援者同士のかかわり、つながり」「自身のこころのケア」「休息」「自分たちが肯定される場」等の自由記述が得られた。他の要因に関しては、現在分析中である。
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