研究課題/領域番号 |
26780391
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
藤澤 美穂 岩手医科大学, 公私立大学の部局等, 助教 (60625838)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 災害支援者 / ストレス / 支援者支援 / サポートグループ |
研究実績の概要 |
東日本大震災から5年が経過し、被災者を支援する支援者への負担も大きく、ストレスや過労が懸念されている。本研究課題の平成27年度においては、①災害中長期支援者のためのサポートグループの実施と効果の検証、②中長期支援者への質問紙調査 を実施した。 ①について:災害中長期支援者をサポートし、メンタルヘルスの保持増進をはかるプログラムを実施した。プログラム内容については、前年度に岩手県内市町村社会福祉協議会・復興支援センター等計21施設において被災者支援にかかわっている生活支援相談員等を対象とした調査結果をふまえ計画した。具体的には、[支援者へのメンタルケア]ー特に「被災者でもあり、かつ支援者でもあることへの理解の促進」、「業務とは離れたところで、お互いの気持ちを共有できるような交流会がほしい」、「自分が感じていることを否定されず受け入れられる場がほしい」、「第三者的立場での傾聴を継続して提供して欲しい」支援者支援を求めているという結果が得られたことをふまえ①心理教育:ミニレクチャー、②セルフケア技能修得:リラクセーション、③語り合いグループ を組み合わせた、計2時間のプログラムとして実施した。沿岸部4回、内陸部4回の日程にて実施、うち沿岸部1回、内陸部3回で計9名のプログラム参加者が得られた。参加者にはプログラム前後に質問紙調査を施行、また語り合いグループ内での発言を逐語録にし、内容を分析した。 ②支援者のレジリエンスと外傷性成長およびストレスを検討するための第二次調査(質問紙調査)について、昨年度と同様、21施設の協力を得て、実施した。質問内容は前年度内容に、バーンアウトを確認する項目等を追加した。調査期間は平成28年2月、郵送法にて実施、回収率63.3%、有効回答は60.2%であった。回答は現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
支援者向けプログラムについては、開催曜日・時間・場所等を工夫したが、参加者が得られず、効果検証に十分なデータを確保できておらず、検討が遅れている。これについては、平成28年度もプログラムを実施し、引き続きの検討をおこなう。 支援者対象の質問紙調査については、当初平成28年5月に実施予定であったが、支援者を取り巻く状況の変化を鑑み、平成28年2月に前倒しをして実施をしており、進捗上の問題はない。
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今後の研究の推進方策 |
1.第二次調査結果の分析を進め、第一次調査との比較検討をおこなう。 2.支援者向けプログラムの実施。年5回の実施について、年間予定として関係機関に周知し、参加者確保に努める。 3.災害中長期支援者のレジリエンス、外傷性成長、メンタルヘルスを促進するモデルを提示する。 なお本研究課題申請時には、プログラム参加者・不参加者への半構造化面接による、プログラム効果の検証を予定していたが、プログラム参加者が得られていない現状のため、計画を変更し、プログラム参加者へのアンケート(参加の感想)に基づく検討としたい。
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