研究課題/領域番号 |
26780394
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研究機関 | 駿河台大学 |
研究代表者 |
高岸 百合子 駿河台大学, 心理学部, 講師 (40578564)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 心理療法 / 認知行動療法 / アルコール依存症 / セルフヘルプグループ |
研究実績の概要 |
本研究では、アルコール依存症に対する集団療法の一つとして、認知行動療法に基づくプログラムを開発し、その有効性を検証することを目的としている。前年度までにプログラムで用いるテキスト及びマニュアルの整備が完了し、プログラムに参加する群(介入群)と通常治療を続けながらアンケートのみに回答する群(対照群)を設けた臨床試験を開始していた。平成29年度においては、前年度に引き続き、本研究において開発したプログラムを、アルコール依存症からの回復を目指す者を対象として実施し、その有効性の検討を行うことが目標であった。 前年度までに臨床試験への登録が完了していた8名に加えて、本年度中に新たに25名から研究への協力の同意を得て、研究参加者は計33名となった。前年度までにプレアセスメントが完了していた参加者を含め、介入群として、3グループ、計16名に対してプログラムを実施した。また、対照群として計17名から調査への回答を得た。目標症例数である各群20例には至らなかったものの、研究期間に鑑み以上でリクルートを打ち切った。その後、プログラム終了3ヶ月後のフォローアップまで含めたデータが収集できた時点から、収集したデータの解析を開始した。次年度においては同データの解析をさらに進め、得られた成果について論文化し学術雑誌へ投稿する予定である。 また、プログラム整備の経緯とプログラムの安全性、実施可能性の検討のために行ったオープン・トライアルについて、その成果を論文化し、国内誌に掲載予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では平成29年度で研究終了とする予定であったが、研究協力者のリクルートとプログラム実施に係る日程調整上の都合から、データ収集が完了するのが年度終了間際となった。そのため、研究期間を延長し、データ解析及び結果公表を次年度に行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
すでにデータ収集は完了しており、次年度においては、収集したデータの解析を進め、研究協力者へのフィードバックを行うとともに、研究成果を論文化し国際誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では平成29年度中に研究成果報告まで行う予定であったが、臨床試験の実施に年度末まで時間を要した。このため、収集したデータの解析、研究成果発表を次年度に行うこととした。 平成30年度においては、これまでの研究の成果をまとめて論文化し、国際誌に投稿する予定である。そのため、経費としては、英文校正費と論文掲載料が必要となる。
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