研究課題/領域番号 |
26780400
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
永井 智 立正大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20513170)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 援助要請 / 被援助志向性 / メンタルヘルスリテラシー |
研究実績の概要 |
本年度は、大きく3つの研究を行った。2つは、昨年度より継続して行っている援助要請プロセスに関する面接調査である。本研究では、実際に専門機関を利用した人々を対象とし、援助要請に至るプロセスを明らかにしようとするものである。面接調査の結果、従来の援助要請行動生起モデルには含まれないような要因やプロセスを経て、専門機関への援助要請に至る事例が複数得られ、こうした臨床的な観点からの援助要請プロセスを検討することの重要性が示された。 2つ目は、「援助要請につながる情報の検討」である。大学生を対象に質問紙調査を行い、抑うつ症状に対するメンタルヘルスリテラシーおよび援助要請等を尋ねた。その結果、自分自身の抑うつ症状を評定する場合は、深刻さや予後の予測などが援助要請に影響し、他者の抑うつ症状を評定する場合には、深刻さや予後の予測が、うつ病か否かの判断を媒介し、援助要請に影響することが明らかになった。 3つ目は、2つ目の研究をさらに実践的に発展させたものである。大学生を対象に実際にうつ病や援助要請に関する情報提供を行い、提供された情報に関する評価及び、援助要請に対する認識の変化を測定した。その結果、大学生はうつ病の疫学情報や原因等様々な情報を有益と判断していたが、実際に援助要請の認識変化に影響するのは、援助要請の有効性の認知であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度内に終了予定であった研究が未完了であったため、今年度継続して実施した調査および、当初計画において本年度実施予定であった2つの調査も実施することができた。また本年度は、学会発表だけでなく、国際的な研究集会においても成果を発表し、有益な学術交流も行った。以上から、本研究課題は当初の予定通り進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、次年度が最終年度となる。研究は全体として予定通り進んでおり、現在の進行状況を維持することで、当初の予定通りすべての研究を遂行する予定である。また、本年度の研究成果については次年度以降学会発表、論文投稿等の形で随時発表を行っていく予定である。
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