研究課題/領域番号 |
26780402
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
末木 新 和光大学, 現代人間学部, 准教授 (80637439)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | メンタルヘルス / カウンセリング / 心理療法 / 金銭・経済的価値 |
研究実績の概要 |
昨年度までに、学生相談や義務教育段階におけるスクールカウンセリング制度に関する文献レビューを行い、現在の当該サービスの実施・利用状況等に関するデータを収集した。また、これらのデータをもとに仮想的シナリオを作成し(当該サービスの廃止を防ぐためにいくらまでの学費の値上げや増税に賛成するか)、学生相談やスクールカウンセリングへの支払意思額に関するデータを収集し、当該サービスの経済的価値の予備的推定を行った。そこで本年度は、これらの尺度の妥当性に関するより詳細な検討を行うことを目的にした調査を実施した。 大学生のカウンセリングを受けることに対する態度尺度(カウンセリングの利用意欲、カウンセリングの有効性への信頼性、カウンセリングを受けることへのスティグマ耐性)を活用して、大学における学生相談利用への支払意思額を測定するツールの妥当性について検討した。調査では、この尺度に加え、これまでに作成した学生相談への支払意思額尺度、性別、年齢・学年、世帯年収、心理援助サービスの利用経験、カウンセリングに関する勉強経験の有無等のデータを収集した。調査は、研究実施者の所属大学の学生に対して質問紙を配布・回収することに加え、インターネット調査会社への委託を行うことにより実施された。これらのデータは現在分析中であり、今後、論文化される予定である。 大学での学生相談や義務教育・高校段階におけるスクールカウンセリングは受益者負担の原則が適用されない公的サービスの側面を有しており、その運営にあたってどの程度の予算で運営すべきか明確になっているとは言い難い。本研究により妥当性を備えた尺度を用いてこうしたサービスの金銭・経済的価値を推定することが可能になれば、より適切な予算規模でのサービスの運営が可能になると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した予定について、おおむね消化できているため
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に準じて調査と分析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
関連学会の参加への交通費等が想定よりも安く済んでいるため。
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次年度使用額の使用計画 |
可能な限り調査の拡大、充実に予算を投じていく。
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