本研究は,学校場面における小学生から高校生を対象とした1次・2次・3次予防に対応した多次元的アセスメント開発(質問紙法・描画法・SCT法)および包括的な予防的介入プログラムを開発・検証することを目的としたものである。この目的に沿って今年度は以下を実施した。 1)尺度研究:小学生においても学校不適応感尺度を3年間実施し,横断的及び縦断的に不適応プロセス過程について検証を行った。本研究結果は,日本心理臨床学会にて発表を行った。また,不適応徴候尺度が不登校傾向を媒介して,欠席日数に影響を与えているかについて検証を行い支持される結果となった。そのため,本研究結果を論文化した。また,学校不適応を抑制する要因としてロールフルネスに着目し,ロールフルネス尺度を開発した。そのうえでロールフルネスが学校不適応感にどのように関連をしているかについて検証し,日本教育心理学会にて発表を行った。 2)描画法研究;S-HTPと学校不適応との関連についての研究結果をもとにスクールカウンセラーにおけるS-HTPの有効活用について検討を行った。 2)SCT研究:小学生に学校適応に関するSCT(Sentence Completion Test)研究を実施し,通学班とクラスの友だちについてのイメージについて,学年差と性差がみられるか検討を行った。本研究結果は.日本心理臨床学会にて発表を行った。 3)予防的研究:スクールカウンセラーがメンタルヘルス調査とともにSCTや描画法等の投影法を用いることについての意義について討議した。
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