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2018 年度 実績報告書

主観的ウェルビーイングと症状からなる精神的健康と心身ストレスとのメカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 26780405
研究機関京都橘大学

研究代表者

田中 芳幸  京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (50455010)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード精神的健康の二次元モデル / 主観的ウェルビーイング / 心理的ウェルビーイング / 心拍変動 / 自律神経系 / 心理生物学的ストレス反応
研究実績の概要

今年度は主観的ウェルビーイング(SWB)次元の高低と精神症状次元の高低とを組み合わせた4群でストレス反応の推移が異なるかを検証した。さらに、SWBとは異なりつつも近似した概念である心理的ウェルビーイング(PWB)、および、SWBとPWBの上位概念として設定した自覚的なウェルビーイングについても、精神症状次元と組み合わせた4群での比較検証を行った。
群×時点の二要因分散分析を行ったところ、ウェルビーイングの自覚や精神症状次元の在り様に関わらず、ストレスの心理生物学的反応が誘発されたことを確認した。しかしながら同時に、主観的感情や心拍の推移について、いずれのウェルビーイングの側面を組み合わせた場合でも交互作用効果を認め、その反応性の強弱には群ごとの異なりがあることを実証した。
主な交互作用として、精神症状次元と自覚的ウェルビーイング次元の双方が高い群で、 誘発されたネガティブ感情が回復しにくいことを確認した。また両次元ともに良好な群では、課題前後や回復期のネガティブ感情の変動が大きかった。二次元ともに良好であることにより、ストレス状況下での心理的反応に対する適切な自覚が促されやすいことを示唆した。
PWB側面の高低に関わらず精神症状次元の低さが課題後の高いネガティブ感情に関わることも確認した。また回復過程においては、精神症状次元の高低に関わらずPWB次元が高いと顕著に変化した。心理的反応の誘発を適切に自覚するためには精神症状の少なさが、回復のためにはPWBの高さがそれぞれ機能していることを示唆した。さらにHF値に関して、両次元が矛盾している群での一貫した低さと、両次元ともに良好な群のみでの課題15分後から30分後にかけたさらなる上昇を確認した。生物学的リラックス状態という観点において、精神的健康の二次元に矛盾があると困難であり、両次元良好であることで促進されることを示唆できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ポジティブ志向,ストレスおよび心身の健康の関連2019

    • 著者名/発表者名
      米田健一郎,津田彰,堀内聡,三原健吾,岡村尚昌,田中芳幸,伏島あゆみ,松田英子,津田茂子,矢島潤平
    • 雑誌名

      行動科学

      巻: 57 ページ: 115-122

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 主観的ウェルビーイングの変化における親切行動の役割2019

    • 著者名/発表者名
      伏島あゆみ,津田彰,田中芳幸
    • 雑誌名

      工学教育研究

      巻: 27 ページ: 103-111

    • 査読あり
  • [学会発表] The construction of culture-inclusive approaches in Health Psychology2018

    • 著者名/発表者名
      Akira Tsuda, Yoshiyuki Tanaka
    • 学会等名
      9thAAICP international conference
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 認知症の理解と支援2018

    • 著者名/発表者名
      田中芳幸,濱田智崇,岸太一(企画)
    • 学会等名
      日本健康心理学会第31回大会 日本ヒューマン・ケア理学会学術集会第20回大会 合同大会
    • 招待講演
  • [図書] 経営・ビジネス心理学2018

    • 著者名/発表者名
      松田幸弘(編著),山浦一保,池田浩,太田さつき,松本友一郎,田中芳幸,大森哲至,小川悦史,永野光朗,前田洋光,中川由理,竹村幸祐,長谷川千洋(著)
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779512636

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公開日: 2019-12-27  

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