高齢がん患者とその家族が,終末期の治療選択において後悔をしないための心理支援を提案することを目的に,一般高齢者と高齢がん患者遺族を対象に研究を実施し得られた知見を整理した。遺族の後悔の特徴に関する一連の研究によって,後悔しやすさの個人差を説明した。その中で,後悔を減らす上では,意思決定時に参照点を状況に即したものに意識的に変えていくことが重要であることが示唆された。また,人生の最終段階における意思決定に関して家族で向き合うためには,日常の会話において感情を扱うことを恐れずに,関係性を築いていくことが重要であることが示唆された。
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