ロールシャッハ法における色彩ショックのメカニズムついて、赤色知覚による回避的な動機づけが生じ、注意範囲の狭化が生じるために反応性が低下するという仮説を立てた。この仮説の検証のために、健常者のロールシャッハ法実施下における眼球運動に関する先行研究の整理を行った。また、健常群と臨床群の眼球運動をメタ分析により比較し、眼球運動の指標が両群を区別する十分な妥当性を有していることを明らかにした。また、色彩ショックと、回避的な動機づけの指標であるドットプローブ課題の間に関連性が見られた。この知見は、本研究における色彩ショックのメカニズムについての仮説の一部を支持するものであった。
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