研究課題
本年度は、実験実施に関する情報収集を行った。特に感情反応に関する脳波に関する基礎実験を行うことで、本研究計画における「感情が身体感覚に与える影響」を検討する上での基礎知見を固めた。その結果、脳波を用いて感情に関連する脳部位の特定に成功し、感情状態の変化を直接的に捉える可能性を見出した。また関連研究の論文化を行うとともに、国際学会等での研究交流を積極的に行い、実験準備を行った。また平成27年度から実験を実施するにあたって、より具体的には、実験機器の作成に尽力した。本年度の研究交流の中で実験を遂行するために必要な機器を新たに発想し、これの設計・作成を担う業者の選定などを行った。現在はこの実験機器の納品を待っている状態であり、これが手元に届き次第予備実験を行う計画である。さらにこれらの準備を進めるのと平行して、よりその後の研究発展において重要と考えられるヴァーチャルリアリティ空間を簡易に作成する手段を模索した。この中で、既にこうした技術のある研究者から技術提供を受け、その方法を確立した。これらを実現する環境づくりのための機器の選定、予備的検討を済ませており、第二実験を遂行するための準備も整いつつある。上記のように今年度は主に、基礎的な知見を得るための予備的実験や準備等に時間を費やした。初年度にこれら十分な検討を行ったことで、27年度に有意義な実験を行うための下地が適切に作られたといえる。
3: やや遅れている
様々な先行研究の確認や、研究者との最新の情報交換を行う中で、研究内容の小修正を余儀なくされた。しかしながらこれは研究計画に問題があったというよりは、近年の本領域の研究の急速な発展に伴って、状況が刻々と変化しているため、より有意義な研究を行うために必要な情報収集の過程だったといえる。計画当初はこうした変化を予測していなかったため、既に実験を開始している計画であったが、これが平成27年度にずれ込むこととなった。
研究遂行に関して、より有意義なものにするための十分な準備および機器の選定や作成が必要であったことがわかったが、これに関しては既に初年度に済ませており、後は粛々と計画された実験を推進するだけである。しかしながら、当初の計画から遅れがあることは否めないため、計画期間の延長も視野にいれて検討を行っていく。
実験に必要な装置の検討・設計等が遅れ、前年度内に発注が済まなかった。翌年度中に納品する物品のために確保した。また海外出張に赴く時間が、こちらの都合及び先方の都合を合わせると取れなかったため、その分の出張費が支出できなかった。
上記に明記した通り実験に必要な機器の購入に当てる。既に発注済みであり、完成・納品を待っている。また海外出張に関しては、昨年度行えなかった分を本年度に回すことで支出する計画である。
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