研究課題
本年度は、研究計画のうち平成26年度に計画された研究に関して研究発表を行った。また本研究は研究計画でも示唆されたEcole polytechnique fdederale de Lausanne(EPFL)との共同研究で行っており、技術交換に関しても積極的に取り組んだ。11月にはEPFLの認知神経科学研究室のDirector、Dr. Blanke氏の来日に際して研究相談を行っており、今後の発展的な計画に関して議論を行った。さらに、本研究計画の重要な要素であるラバーハンド錯覚に関して、影響をあたえる様々な変数を検討し、これに関して学会発表を行った。また大きな研究方針に関する講演を、ヴァーチャルリアリティに関する研究会、及び工学研究者の学会等で行い、学際的な研究推進を行うための研究協力体制の構築にも尽力した。延長申請をして、翌年度も研究を継続することとしたため、ここまでで完遂しなかった感情価を含めた研究を継続して行う。なおその際に重要となる感情価の脳内表現に関する基礎研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」、広島大学「精神的価値が成長する感性イノベーション拠点」における取り組みと一部重複して行い、これを国際学会で発表した。
3: やや遅れている
新規調達した機器の調整に時間がかかったため、平成27年度に予定していた予備実験の実施時期が大幅に遅れてしまった。これにより本研究課題の2年間での完遂が困難になった。具体的には、平成27年度に計画されていた実験の遂行、データの解析、成果発表が未遂であり、これを行うためには計画を延長せざるを得なくなった。よって延長申請を行い、予定より一年延長した計画に変更した。具体的には研究計画の②に当たる部分を、本年度終盤から準備・予備実験を行い、延長した平成28年度に実施することとした。
進捗状況にも報告したように、実験計画の27年度に完了するはずだった実験を翌年度(28年度)に繰り越すこととした。平成28年度は、別の研究費における事業も開始されたため、どちらの研究も効率的に推進できるよう、計画を一本化しており、実験自体はそちらの準備が整う6-7月あるいは9月以降に一括で行う計画とする。解析に関しては既に自動化された解析法が、27年度までの事業で整備してあるため、時間をかけずに年末までには完了させ論文化および学会での発表を検討することが可能である。
実験の進捗が遅れたため、実験の実施とデータ解析をそれぞれ次年度に行うこととした。また成果発表に関しても、国際会議でのセッションオーガナイズにおいて費用が必要であるため繰り越しをして資金を確保した。
解析ソフトのライセンス更新および、成果発表のための国際学会参加、発表等に関わる費用として使用する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)
European Journal of Neuroscience
巻: 42 ページ: 2515-2526
10.1111/ejn.13029