研究課題
本研究課題においては、平成26年度および平成27年度中に、主に感情状態を客観的に捉えることのできる脳波成分の基礎的検討、および身体認識に関してラバーハンド錯覚を用い、脳内ダイナミクスの検討を脳波を測定しながら行ってきた。この中で、主に視覚情報により惹起される感情に関連すると考えられる脳波成分の検討が十分に行われ、身体認識の際の感情状態センシングに必要な基盤技術を確認できた。また身体認識において、前頭前野から頭頂葉に向けての情報の流れがラバーハンド錯覚のような錯覚中に見られることが、海外機関との共同研究の中で明らかになった。これらの研究成果は、複数の国際学会及び国際誌に投稿・掲載されてきた。平成28年度は、上記の実験の部分的な継続に加え、これまでの実験成果の報告・共同研究者たちとの共有・将来的なビジョンの模索を行うことが、今後の検討の可能性を広げると考えられたため、そのための機会を設けることにし、延長を申請した。ちょうど2017年には、日本国内で国際心理学会が行われること、そのシンポジウムのオーガナイズをする中で、本事業のまとめと将来像の検討を行うにふさわしい内容と判断したため、年度を越えることになるがこのオーガナイズを本研究課題に位置づけた。特に開催したシンポジウムでは、本課題を事実上継続して行う研究事業としての若手研究Aにおいて、非常に意義深い検討法の紹介を海外機関から受けるなど、今後の研究展開においても非常に意義深いものとなった。また研究機関全体を通して、用いた脳波解析技術を書籍にまとめ、教科書として使えるようなものとして出版した。
すべて 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
Brain Topography
巻: 30 ページ: 122-135
10.1007/s10548-016-0519-x.