回避学習課題を用い,動物にとって好ましくない負のエピソード(電気ショック)を提示後のシナプス可塑性を検討した。0分(エピソード提示直後),5分,10分,20分,30分時点のラット海馬CA1ニューロンの微小興奮性シナプス後電流,微小抑制性シナプス後電流を測定した。結果はエピソード提示後5分時点から,微小興奮性シナプス後電流,微小抑制性シナプス後電流が増加した。これらのシナプス後電流の増加はシナプス移行によってspine上のAMPA受容体とGABAA受容体の数が増加したことを示唆している。このことから,負のエピソード記憶の符号化が5分以内の早い海馬CA1シナプス可塑性を引き起こすことを提案する。
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