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2015 年度 実施状況報告書

報酬予測下における待機行動を促進させるセロトニン脳内メカニズム:光操作による検証

研究課題

研究課題/領域番号 26780423
研究機関沖縄科学技術大学院大学

研究代表者

宮崎 佳代子  沖縄科学技術大学院大学, 神経計算ユニット, 研究員 (80426577)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードセロトニン / 遅延報酬 / 光操作 / 辛抱強さ
研究実績の概要

神経伝達物質の一つであるセロトニンは衝動性を生み出す神経基盤の中で重要な役割を担うことが示唆されているが、現在までその機能における統一的な見解は得られていない。申請者らの先行研究において、遅延報酬待機行動中マウスの背側縫線核をオプトジェネティクスの手法を用いてセロトニン神経選択的に刺激すると、報酬待機行動が促進されるという結果を得た(Miyazaki et al., 2014)。本研究は背側縫線核セロトニン神経が強く投射している脳部位に注目し、内側前頭前野、前頭眼窩野、および側坐核のいずれかが特に遅延報酬待機行動の促進に重要であるという仮説を立て、その検証を行う。
本研究を遂行するにあたり、遅延報酬待機行動におけるセロトニン神経光刺激の影響はどのような状況でより効力を発揮するのかを明確にする必要がある。そのため遅延報酬獲得課題において報酬の確率および量を変化させた実験を平成26年度に引き続き平成27年度に実施した。
実験では遅延報酬時間を3秒とし、①報酬確率75%で1試行につき1個の餌(報酬75%, エサ1個)、②、①報酬確率75%で1試行につき2個の餌(報酬75%, エサ2個)、③報酬確率50%で1試行につき1個の餌(報酬50%, エサ1個)、④報酬確率50%で1試行につき3個の餌(報酬50%, エサ3個)、⑤報酬確率25%で1試行につき1個の餌(報酬25%, エサ1個)、⑥報酬確率25%で1試行につき3個の餌(報酬25%, エサ3個)、の6条件で実験を行った。その結果、セロトニン神経活性化による報酬待機行動の促進効果は、将来もらえる報酬の確率に依存し、量には依存しないことが明らかになった。
また、背側縫線核セロトニン神経の投射部位の光刺激実験にも平成27年度から着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで申請者らの先行研究において、遅延報酬待機行中マウスの背側縫線核セロトニン神経をオプトジェネティクスの手法で選択的に刺激すると、待機行動が促進されるという結果を得た。本研究では次のステップとしてこの現象を主に担う責任部位を明確にするためセロトニン神経の複数の投射先に注目するが、それらに先立ち報酬待機行動への光刺激の影響がどのような効力を発起するかを明確にする必要性が生じ、報酬の確率と量を変化させる実験を行った。その結果、セロトニン神経活性化による報酬待機行動の促進効果は、将来もらえる報酬の確率に依存し、量には依存しないことが明らかになった。この結果を論文にまとめ現在投稿中である。さらに背側縫線核セロトニン神経の投射部位の光刺激実験にも平成27年度から着手することができたため。

今後の研究の推進方策

平成27年度に実施した背側縫線核セロトニン神経の投射部位の光刺激実験の結果を踏まえ、平成28年度も引き続き実験を行う。その結果を論文にまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

妊娠・出産に伴い装置や消耗品等購入のために必要な物品費を平成28年度予算に計上することにしたため。

次年度使用額の使用計画

平成28年度は以下の物品を購入予定である。
・マウス用オペラント酢ステム一式(或いはその一部)、・光刺激用光源、・セロトニン受容体拮抗薬、および各消耗品

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 背側縫線核と辛抱強さ2016

    • 著者名/発表者名
      宮崎勝彦, 宮崎佳代子, 銅谷賢治
    • 雑誌名

      分子精神医学

      巻: 16 ページ: 2-10

  • [雑誌論文] 報酬待機行動とセロトニン:神経活動の光活性化による検証2015

    • 著者名/発表者名
      宮崎佳代子, 宮崎勝彦, 銅谷賢治
    • 雑誌名

      光学

      巻: 44 ページ: 422-426

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公開日: 2017-01-06  

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