研究課題/領域番号 |
26780427
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
荒川 麻里 筑波大学, 人間系, 助教 (20389696)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 就学義務 / 親支援 / ドイツ / 就学年齢 / 親権 / 幼稚園 / 小学校 / 義務教育 |
研究実績の概要 |
本研究「ドイツの就学義務制度と親支援に関する法制論的・実証的研究」の目的は、ドイツの就学義務制度における親支援の全体像を解明することにある。この目的達成のために5つの課題を設定し、初年度である平成26年度は全課題の基礎データの収集に努めた。ドイツでの調査研究は、9月にドイツ常設文部大臣会議事務所(ボン)および州公文書館(シュトゥットガルト)、2月にドイツ青少年研究所およびマックスプランク社会保障法研究所(ミュンヘン)などに滞在し、資料収集や親へのインタヴュー調査等を行った。 各課題の成果は次の通りである。課題1:各州の就学義務法制の全体構造およびその改正動向:第2次世界大戦後の連邦教育政策は常設文部大臣会議事務所において検討が進められた。この点に関して、実際の会議資料を閲覧・検討した。課題2:就学義務制度改革、とりわけ早期入学導入のための改正点とそれに伴う問題点:連邦全体における早期入学導入は、バーデン・ヴュルテンベルク州の議論がターニングポイントとなった。この点について州公文書館で資料収集を行った。課題3:早期入学導入の理由と就学年齢の決定理由:親へのインタビュー調査により、公立学校と私立学校とで就学時期の取り扱いに違いが見られた。私立学校では、現在も入学を遅らせる例が見られた。課題4:入学前に親に求められる家庭教育および就学猶予の条件:親および小児科医に対するインタヴュー調査を実施し、今後の分析の方向性を検討した。課題5:就学前教育機関と学校とのアーティキュレーション(接続)の具体的な方法:小児科医および教育学者へのインタヴュー調査を実施し、今後の分析の方向性を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的を達成するための5つの課題いずれにも取り組み、一定程度の成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の検討により、現行制度の就学手続きにおいては、就学する子どもの意思表明の機会がほとんど設けられていないことがある程度明らかとなった。この点について、経緯や近年の動向についてより調査を進めたい。
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