本研究は、現代の消費社会の問題に取り組む教育活動を、消費者教育とメディア・リテラシー教育の融合というかたちで構想するための基礎的な作業として行われたものである。参照事例をカナダにおけるこの2種類の教育に求め、それぞれの教材に含まれる商業広告の分析課題の目的を分類した。その目的は、(1)広告のリスク、(2)消費者の権利、(3)映像の表現技法、(4)商業宣伝の遍在化、を認識することにあると確認され、このうち(2)と(4)が、本研究が目指す消費社会を批判的に検討する教育活動との親和性が高いという結論を得た。
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