平成28年度における研究成果は以下の2点である 1)「授業研究」へのアクションリサーチを継続して行った。研究協力校の学校体制の変更に伴い、インタビューを実施し、今後の「授業研究」の経営に関して、管理職らとともに協議を進めた。 2)国内における「授業研究」の談話分析の研究成果と、そこから日本の授業研究の特色を対象とした事例分析について、国際授業研究学会(英・エクセター大学)のエキスパートセミナーで発表をおこなった。 前年度までの研究成果と、本年度の研究成果(1)を踏まえると、「授業研究」における学校文化の検討には、その方法論だけではなく、学校やカリキュラムに関する制度、教員の職務や社会的地位といったシステムに踏み込んだ背景の記述が必要であることが示唆された。同様に、研究成果(2)を踏まえると、「授業研究」が教師の授業観、授業の構造やデザインに与える影響について、より詳細な検討が必要であることが明らかになった。これらの成果によて、「授業研究」における学校文化を捉えるための新たなアプローチが導出されたといえる。
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