ドイツの合議的学校経営は「国家の学校監督」「学校の自律性」「教育参加」「教育上の自由」によって構成されることを特質とする。このような学校経営の現実を捉えるために必要な視角として、<学校―学校監督庁―州文部省>と連なる学校監督行政の系(縦)と、<校長―教員―保護者―子ども―その他のアクター>という学校組織の系(横)の構造と諸要素を明らかにした。学校経営の現実が、学校内外の様々な関係性の中から生起していることと、それが単なる権限配分によってではなく多様なアクターの意思の交錯の中でも現象化している実態について、具体例により明らかにした。
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