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2014 年度 実施状況報告書

多文化社会の学校教育における「21世紀型スキル」の受容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26780442
研究機関三重大学

研究代表者

下村 智子  三重大学, 高等教育創造開発センター, 特任准教授(教育担当) (80557984)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード教育政策 / 教育課程
研究実績の概要

本年度の研究内容と成果の概要を以下の三点に挙げる。
まず、本研究の中心的課題である「21世紀型スキル」「コンピテンシー」等の21世紀社会で通用する汎用的な資質・能力観の概念をそれぞれ明らかにした。これは、当初の研究計画では明示していなかった内容であるが、各州・準州の「21世紀型スキル」について検討する際、概念を整理し、他の用語との関連性を検証しておくことは必要であると考えた。
具体的には、「コンピテンシー」と「21世紀型スキル」に着目し、それぞれの発展の背景と概念、特徴について、国内外の先行研究を基に概念整理を行った。「コンピテンシー」は、OECDの「コンピテンシーの定義と選択(DeSeCo)プロジェクト」より広がった概念であり、国際的に共通する資質・能力とその評価や枠組みについて示したものである。このようなDeSeCoの成果は、今日の各国の教育改革やPISAの内容にも影響を及ぼしており、今日の21世紀型スキルをめぐる議論においても重要な位置を占めるものである。一方、「21世紀スキル」については、「21世紀型スキルパートナーシップ(P21)」による21世紀型スキル運動や「21世紀型スキルの学びと評価(ATC21S)」という国際研究プロジェクトの内容に基づき、その概念の整理を行った。
また、21世紀型スキル涵養の主たる担い手となる教員養成について、教師の資質・能力やの多様性に対応といった観点より、オンタリオ州における教員養成制度の動向を明らかにし、その特徴と課題について検討した。
以上に加え、アルバータ州の教育政策について基礎的な資料の収集を行った。具体的には、教育課程改革及び教育課程関連文書、「21世紀型スキル」等の資質・能力の育成に関する政策文書、21世紀型スキル等の能力・資質の学校教育への導入に関する先行研究、そして、先住民教育に関係する政策文書の収集等を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度は、関連する先行研究の収集の段階で、21世紀社会で通用する汎用的な資質・能力の概念を明らかにし、その関係性についても考察する必要性が明らかになった。この点については、研究計画では明確に位置づけていなかったが、先行研究の収集およびアルバータ州の教育政策関連文書・先行研究のレビューと並行して、「コンピテンシー」や「21世紀型スキル」の概念や内容の検討を行った。そのため、当初予定していた調査の計画・実施が遅延してしまい、当初の計画以上に遅れる結果となった。

今後の研究の推進方策

今後の研究においては、文献調査を継続するとともに現地調査については、本年度実施を予定していたオンタリオ州とH27年度実施予定のアルバータ州における調査を実施したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、文献収集を主に行ったが、多くの文献についてインターネット上より入手することが可能だったため、当初予定していたよりも文献収集にかかる費用がかからなかった。また、先行研究に基づく概念整理に時間がかかり、予定していたオンタリオ州での現地調査を実施するに至らなかったために、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度は、引き続き文献収集を継続するほか、本年度実施予定であった現地調査とともに、次年度に計画しているアルバータ州での現地調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] カナダにおけるイヌイットの生活と教育~アイデンティティをめぐる課題に着目して~2014

    • 著者名/発表者名
      下村 智子
    • 学会等名
      社会文化学会中部支部部会
    • 発表場所
      コープあいち生協生活文化会館
    • 年月日
      2014-11-24
    • 招待講演
  • [学会発表] カナダの教員養成に関する研究~「多様性」に対する教育の現状~2014

    • 著者名/発表者名
      下村 智子
    • 学会等名
      中国四国教育学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2014-11-15

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公開日: 2016-06-01  

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