本研究は、「わざ」の稽古場面における、教え手と学び手との間の行為のやり取り(身体的相互行為)の観察・分析を通して、近代教育における知識伝達のあり方を根本的に見直すことを目指すものである。人形浄瑠璃を中心とした国内外のフィールド調査および理論的考察により、単著の刊行をはじめとして、新たに編著本、共著本、研究論文を発表し、その成果を学会のみならず広く一般社会に還元することができた。同時に、フランス・パリ第V大学を拠点として在外研究を行ったため、教育学のみならず、哲学、心理学、人類学など周辺領域の先端的研究者たちとの学的交流を重ねた。海外での学術調査も飛躍的に進展したことも特筆すべき成果である。
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