| 研究実績の概要 |
本研究では、教育資源配分の効率性および多元的な教育資源調達手法の検討をするにあたり、その基礎的な調査として、英国の学校における教育資源の調達および活用方法、また、教育資源を取り扱う人材育成のあり方について調査を実施した。
具体的には、Multi-Academy Trust（MAT）が管理する学校の財務状況についてインタビュー調査を行い、資源調達および資源配分の現状と課題について明らかにするとともに、それらの教育資源を取り扱うschool business managerにどのような能力が求められるか整理を行った。
英国への訪問調査では、2015年11月9-11日の日程で、MATについては「Partnership Learning」「Milton Keynes Education Trust」「Hackney Learning Trust」へ、MATによる運営ではない学校（convert academy）として「The City Academy, Hackney」へ、また英国全体の教育政策の動向の調査として「Department for Education」へ訪問しインタビュー調査を行った。教育資源を取り扱う人材に必要とされる能力の整理に関しては、『The School Business Manager's Handbook』等のschool business managerの業務内容等が記載されている文献調査を中心に分析を行った。
MATが運営する学校の増加や、各学校のacademy化等により、教育内容だけでなく、教育資源の配分および調達についても、例えば年度を超えた教育予算の繰越が可能になるなど、英国では学校の自治機能がますます大きくなる傾向にある。そのため、教育資源の管理についても、school business manager等の人材には、「budget planning」といった従来から必要とされている能力だけでなく、「fundraising and income generation」等の能力もまた必要とされるようになっている。
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