研究課題/領域番号 |
26780450
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
金 侖貞 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (40464557)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 多文化教育 / 外国人女性 |
研究実績の概要 |
今年度においては、結婚移住女性を対象とした政策が始まる前から、彼女たちを支援してきた団体の関係者のお話を聞くことができた。政府主導による政策推進で、いままではなかった韓国語教育などの支援を受けることはできたが、そういった政策が始まったことによって、地域の諸団体との競争が始まり、それによっていままで支援してきた団体を「排除」してしまうことをも生み出していることが分かった。また、当事者インタビューからみえてきたのは、地域で外国人女性が増えることによって、韓国人と関わる機会が逆に減ってしまった現状もみられた。 一方では、今年度の中央多文化教育センターの動きをみると、外国人やその子どもに集中してきた政策から、マジョリティにもっと目を向ける動きへと変化している様子も見られる。むろんそういった政策の方向性は従来の多文化教育政策でみられてはいたけれども、少しは変わってきているようにみてとれる。マジョリティを視野に入れた多文化教育は、マイノリティだけを多文化教育の「対象」に「他者化」してし、「多文化教育」を一種のレッテルにしてしまった韓国の状況から考えたときにも、非常に重要であると思われる。 今後そういった動きがどのように実践現場に影響しているのかをみていきたいと思う。さらに、多文化教育をめぐる研究が停滞している様子もみられ、来年度においては、多文化教育にかかわる研究や言説がどのように変わってきているのかを、合わせて考えていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に資料集めを進めている。
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今後の研究の推進方策 |
韓国の多文化教育は、政府が政策として進めてきた経緯があり、昨年に新しい政権が発足したことで、これからの多文化教育がどのように変わっていくのかを、みていく必要があると思われる。 多文化教育を開始した政権と同じ方向性をもった政権が政権をとったことによる今後の推移をもっと調べていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新しい政権発足後の政策や実践現場の変化を、総合的な分析のためにみたほうがよいと判断したために、繰越額が発生した。
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