結婚移住女性たちの定住戦略と地域多文化教育のモデル構築を明らかにする本研究において、女性たちの定住戦略が変容していることが分かった。結婚移住女性当事者や関係者のインタビューなどから地域との関わりが弱まり、地域における共生の必要性を薄くなっていることが見えてきた。また、地域多文化教育が多文化家族支援センター中心に改編され、従来から外国人女性たちを支援し関係を持ってきた地域ベースの市民団体が位置づけられなくなったのも明らかとなった変化の一つである。このような状況の変化を踏まえ、これからの地域多文化教育は多様性だけでなく、社会的統合を視野に入れたものに再構築すべきであることをも明らかにした。
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