「韓国における学校協議会制度の機能に関する質的研究」では、フィールドワークやインタビュー調査を通じて韓国の学校運営委員会をめぐる政策状況と、学校現場での動態について検討した。制度が導入された当初は、学校運営委員会の設置は学校共同体構築や、教育革新が政策目標であった。議事録等内部資料の分析の結果、政策目標が実現しているとは言えない。しかし、インタビューでは保護者は学校側からの正式な情報公開により信頼関係を築ける。学校は保護者からの支援が調達しやすくなるといった成果が明らかになった。従って韓国の自律的学校運営は、教育革新ではなく学校ー保護者間の関係性再構築の一方法として評価できる。
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