近年、問題行動を起こす児童・生徒に対し、適切に懲戒権を発動すべきという要請が高まっている。本研究は、高等学校の生徒に対する懲戒の在り方について、教育学と法学の学際的視点から検討することを目的とするものである。 裁判例の分析の結果、学校設置者が懲戒に関するガイドラインを定めている場合には、校長はガイドラインを逸脱することがないよう、適正な手続により懲戒を行う職務上の法的義務を負うとされていること等が明らかとなった。また、生徒の懲戒に関する実態把握のための調査を行った結果、学校が定める生徒の懲戒基準の詳細さには差があること、そして詳細な基準の公表には慎重な姿勢が見られること等が明らかとなった。
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