平成28年度は、教育ガバナンスを推進するネットワークの重要性と、「エビデンス」を中心にそれを裏付ける「知識」の生成・展開を跡づけるため、以下の事項を実施した。 第1に、昨年度に実施できなかったアンケート調査を実施した。ここでは、比較的指定から新しいコミュニティ・スクールに対して、導入時の経緯、運営において参考にしているもの、視察・照会の実施(受け入れを含む)などについて、その実態を詳らかにするための設問を用意した。これは研究代表者が2013年に実施したアンケート調査と同様の設問を含んでいるもので、前回調査をベンチマークにして、数年間をおいて比較をするための設計ともなっている。実施に際しては、教育委員会関係者等に、質問のワーディング等を確認してもらう事前調査を行ったため、最終的な配布は1月に入ってしまったが、単純集計を終え、成果公表に備えている。 第2に、引き続き、インタビューを実施した。具体的には文部科学省の元職員へのインタビューを行い、政策推進者である文部科学省の立場から本研究の対象政策に対する見解や、それを拡充するための方略についての見解を教示いただいた。 第3に、今年度が最終年度であることから、これまで行ってきた調査研究のデータを整理するとともに、昨年度までに実施してきた学会発表等の成果をリバイズし、幾本かの論文にして公表した。さらに、現段階でも未公表のものが1本あるが、今後査読を経て公刊されるべく、準備を進めている。
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