| 研究課題/領域番号 |
26780460
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| 研究機関 | 立命館大学 |
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研究代表者 |
武井 哲郎 立命館大学, 経済学部, 准教授 (50637056)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 開かれた学校 / マイノリティ / 排除／包摂 / フリースクール / 不登校 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は、当初の計画を前倒しすることにより、マイノリティの子どもを包摂する学校参加の在り方を理論化・体系化することに注力した。とりわけ、学校ガバナンスの構造を転換する「開かれた学校」という制度の導入が、多様で異質な背景を有する子どもの包摂に繋がるまでの道程について、主に検討を加えた。
分析から明らかとなったのは、学校ー家庭・地域が異質な価値をぶつけ合うことの重要性である。具体的には、家庭・地域から学校に対して異議申し立ての声が上がる状況を、マイノリティの子どもに向き合う責任を三者が分有する契機として積極的に評価すべきケースもあることを指摘した。それは、三者が同質の価値を共有するに至ることを「連携」や「協働」と捉える昨今の実践／研究の動向に、新たな視点を提供するものと言える。また、マイノリティの子どもを包摂するための活動を地域に立ち上げた学校の事例から、「意思決定への参加」の場である学校運営協議会での議論が有効に機能する場合もあることを明らかにした。
併せて、マイノリティとされる子どもの包摂に寄与する実践の在り様について多角的な視点から検討を行うべく、昨年度に引き続き、不登校児童生徒の支援を担うフリースクールが果たす役割についても分析を行った。学校生活のみならず家庭生活にも困難を抱える子どもを包摂するフリースクールの実践やそれを支える思想は、「開かれた学校」の在り方を考察するうえで参照すべきものと言える。また、マイノリティの子どもの包摂という観点から「多様な学び保障法」（当時）をめぐる議論が抱える問題点についても指摘を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
出版助成を獲得することができたため、本研究の成果をいち早く刊行する機会を得た。そのため、当初は平成29年度（研究最終年度）に実施することを予定していた「マイノリティの子どもを包摂する学校参加の在り方の理論化・体系化」という課題に取り組み、その成果を発信することができた。また、マイノリティとされる子どもの包摂について多角的な視点から検討するため、不登校児童生徒の支援を担うフリースクールの実践について検討に付すことができていることも、本研究課題を計画以上に進展させる要因となっている。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初は平成29年度に実施を予定していた「マイノリティの子どもを包摂する学校参加の在り方の理論化・体系化」という課題については、その一部を平成28年度に行うことができた。ただ、「教育活動への参加」と「意思決定への参加」とに往還的な関係を生み出す仕組みに関して実践的な提起が十分にできたかというと、必ずしもそうではない。平成29年度は、マイノリティの子どもに寄り添うボランティアの声を学校運営協議会の中でどのように活かすのか、あるいは学校運営協議会での議論をいかにしてボランティアの活動に接続させるのかといった点について、追加の調査を行いながら更なる検討を加えたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
調査協力者との日程調整の結果、成果報告を年度内に行うことができなかったため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
速やかに成果報告を実施するべく、その費用にあてることとする。
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